手の中の蝶々


…と、先生のレアリアクションが見られたのはラッキーとして。



「あっ!野菜炒め!」


慌てて料理を再開する。


危ない、危ない。
もうちょっとで野菜炒めが命を落とすところだった。






他にも何品か調理して。




「……よし、出来た」


取り敢えず完成した。

人に食べさすのって緊張する…!お姉ちゃん以外に食べさせたことないし……っ。





「先生、出来ましたよ…?」


って先生…


「あれ、寝てる?」


どうりで静かだと思った。



今もう日付変わりかけだし。






起こそうか迷ったけど、疲れてそうだし、寝かしておくことにした。
作った料理はサランラップして明日にでも食べてもらおう。







……でも、眼鏡はとった方がいいよね?

跡ついちゃったり、寝返りうった時に変形したりしそうだし。





「…失礼します」


寝息をたてる先生の眼鏡に手をかけた時だった。



パシッ

「わっ!」


『ん……、……あれ?僕寝てました?』



びっ!びっくりしたぁあ!!



「…先生、手」

先生は私が眼鏡に手をかけた瞬間、その手を掴んだのだ。


『へ?あぁっ、スミマセン』


そう言って放してくれる先生だけど、そんな事ってあるの?

寝ながら起きてるみたい…。



「び、びっくりするじゃないですかっ」

『でも、ほら、いつ敵に襲われるか分からないですし』



私は敵か!!

てか襲いません!!



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