手の中の蝶々


「キキキキ…!」

『………』

呆然と自分の唇に触れる先生と、真っ赤になって震える私。



キス、してしまった。


あの決意の意味ははてさて。


「じ、事故だもん仕方無いよ」

『……もう一回したい』

「え?」


一度甘い蜜を吸えばそれはもう病みつきになって。
甘い痺れに翻弄され、我慢なんて言葉は忘れ、再び求めてしまう。


『俺の蝶々』

「わっ!ちょっと…!さっきかっこ良い事言ってたじゃない!」

完全に目が変わってしまった先生はジリジリと私に近寄り、さっきの立場の逆バージョンに。


「わわわっ!!」


手を振り払って逃げようとする私の腰をつかみ、引き寄せる。



そして、



『逃げられると思うなよ。



俺の蝶々』








その魅力で惹き付けて。
抵抗する気を無くして。



甘い口付けで私を縛る。



「…っ」

しかし先生が触れたのは、唇では無くて。

「やっ、ちょ、擽った…」

耳、目、首筋…


『危なかった…』





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