手の中の蝶々



『それにしても何しようとしてたんですか?』


「は……?」


『……いやんっ、もう、桜木さんたら〜』





………………、



意味が分からん!!!





ニヤニヤして私をこづく先生。




理解し難い行動だ…。




「な、何が言いたいんですかっ?」


『…もう、冗談ですよー。

まさか桜木さんが寝てる僕の顔に手をかけて、ナ・ニ・カしようとしてたなんて本気で思ってませんよ』


ナ・ニ・カ


って何じゃー!



「わ、私が手をかけたのは眼鏡ですっ!」



『眼鏡!?眼鏡が邪魔になる行為と言えば………』



先生はわざとらしく目を見開く。







…眼鏡が邪魔になる行為………





例えば





「……キスとか?」


『やっぱり桜木さん……!!』


「は?………。


あ……っ!そういうことか!!


って違います違います違います!!!誓って!」





先生の誘導でやっと分かりました。





先生は

私が寝てる先生にこっそりキスしようとした



って言いたかったんだ…!






『だから冗談って言ったじゃないですか……、桜木さん面白ーい!』




むっかあああ!




まんまと先生に遊ばれてる!



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