手の中の蝶々
「はぁあ……」
これからどうしよっかなぁ
私今、家ありません。
だから公園にいたのに、ポツポツと雨が降り出した。
「………」
濡れてる。
けど、いいや別に、風邪ひいたって。
心配してくれる人なんていないし。
『ねぇ』
肩には他人の手の感触と、背後からは男の声。
「話し掛けないで下さい」
振り帰りもせず手を払いのける。
『冷たいですね〜。
桜木夂葉さん』
「!?」
自分の名前を呼ばれて思わず振り替える。
「……あ、菊島先生」
まさかの担任の先生。
菊島海…
なんかよく分からん先生。
確か…25歳だっけな、外見は…別に普通。
眼鏡だし、学校では白シャツにネクタイ、シャツがインされたズボン
特に可笑しなとこはない。
だけどなんだか…、目が鋭い。
眼鏡の奥の瞳が何故だか気になる。
「…で、なんか用ですか」
『自販機行った帰りに、貴女が見えたので』
本当だ、私服。
『こんなとこでこんな時間…危ないですよ?雨も降ってきましたし…、家に帰ってはどうです?』
家…か。