手の中の蝶々



そのお姉ちゃんからいきなり聞かされた結婚。



当時21歳だった姉は今27歳。



『私結婚するの』



嬉しくなかったわけがない。



只、私はどうなるの?という不安は過ったけど。




「そうなの?おめでとう!」


今まで苦労かけてた分、幸せになって欲しかった。



『ありがとう。…それでね…私……家出ていこうと思うの』




一瞬冗談かと思った。



高2の私を放って出ていくなんて。


学校に行きながら生活なんてできるわけない。



『高校卒業するまではアパート代と学費と最低限の生活費は出すわ。その他は……自分でできる?』



お金は…出してくれるんだ。


でも私って完璧お荷物。




それにお姉ちゃん、そんな生活したら…パツパツなんじゃ…





「…いい。彼氏の家に泊めてもらう」




意地もあったと思う。


実際彼氏なんていないし。




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