手の中の蝶々
「ん……」
目が覚めると、辺りは見覚えのある風景で。
『あ、起きた?夂葉さん』
「せ!先生!?」
ガバリ、と布団から起き上がると、
「え…?なんで?」
そこは先生の家で。
因みに私は先生のベッドの上。
『なんでって……』
「?」
私の疑問に答えようとした先生だったけど、どうかしたのか、それ以上話す事はなく俯いてしまった。
しかしその肩は震え、何かを堪えているように見える。
「先生……?」
『ぶっ!!』
「!?」
いきなり吹き出した先生。
ワケが分からない。
『も…もう駄目!耐えられない!わ、笑っていい……!?』
少し顔を上げた先生の目尻には涙が溜まっていて。
「もう笑ってるし…」
私が呆れたように言うと、やっと笑える、と言わんばかりにお腹を抱えて爆笑する先生。
…失礼過ぎるだろ!!
『だ、だって!湯気…湯気って!!アハハハッ!』
「ゆっ指さすな……!」
『夂葉さん面白過ぎ…!お腹痛い………!!!!』
要するに先生は私が許容量オーバーで、湯気をだして倒れた事にかなりツボって、大笑いしてるという事だ。