手の中の蝶々


暫く転げ回るほど大笑いして落ち着いたのか、深呼吸して息を整える先生。


「乙女の失態を大笑いして気は済んだ?」

『怒らないでよ夂葉さーん』

本当失礼。
あり得ない!

「…って先生学校は!?!?」

そう言えば、私まだ1時間目も受けてない。


『窓の外見て、時計見てみ?』

「……外は真っ暗、時間は…8時13分ーー!?」


軽めのタイムスリップ!?
1日が無くなった!!

『夂葉さんずって保健室で寝て――湯気プッ…だしてたんだよ』

「寝てたって事にして下さい」

もうその話題はいいから!!

余程お気に入りらしいそのネタを掘り返そうとする先生を止める。

『だから連れて帰ってきたんだよ』

「ありがと…。…っ?」


で、そこでなんで手をベッドにつく?


『ところでさ…―――』


なんで両腕で私を囲む!?


『夂葉さんに聞きたい事があるんだけど』


なんで低温ボイスに切り替える!?!?




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