明日も、キミに恋をする。
そんなある日、陽子に校舎裏の階段に呼ばれた。




陽子は座り込んで泣いていた。

陽子の親が離婚したらしい。




両親の仲があんまり良くないのは聞いてた。

毎晩喧嘩してウザいわって愚痴りながら笑ってて、

だから俺は陽子の本心に気付いてなかった。





昨夜、オトンが正式に家を出て行ったらしい。

陽子は膝を抱えて泣いていた。




「ほんまは、ずっと寂しかった」

「うちの存在では離婚を止められへんかった」

「オトンはうちがいるのに家を出ていった」

「オトンは子供より愛人を選んだんや」

「うちは誰からも愛されてない……」





いつも笑ってる陽子が

俺の前で肩を震わせて泣いてた。





陽子はいつも俺を笑わせてくれてた。

ほんまは、こんなに寂しかったのに…




誰よりも明るくて優しい陽子は

誰よりも傷ついていた。


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