明日も、キミに恋をする。
それからしばらく他愛もないお喋りをして

大輔くんが腕時計を見る。




「うそやん、あと5分や…!はやっ……」



大輔くんといると、時間がたつのが本当に早い。



「俺、もっと優と一緒におりたいねんけど」

「私も…でも明日もまたこうやって会えるよ」




私が笑うと、大輔くんは座ったまま隣に座る私の顔をのぞきこんでくる。


急に近くなる顔にドキッとする。




「俺……まだ全然たりてないねんけど」



そういいながら大輔くんは私に顔を近付ける。



「……優は?」



鼻先がふれ合う距離で、大輔くんに声を出されるとゾクッとする。

私は真っ赤になってきゅっと目を閉じる。



「わ…私も…」




私の言葉に満足したように大輔くんは少し笑うと、そのまま私にゆっくり唇を重ねる。
 





薄暗い階段で、重ねては離れてまた重なる唇…

三回目のキスは、いままでより少し長いキスだった。







ゆっくり離れる大輔くんの瞳は、切なく私を見つめている。

胸がきゅぅ…と熱く苦しくなる。





「優、好きやで」


大輔くんはそのまま私を抱きしめると、大切そうに私の頭を優しくなでてくれる。





屋上のドアの磨りガラスから、外の光がぼんやり射し込む。

その光が、空気中を漂う埃をきらきらと映し出してる。





大輔くん…

好きで好きで胸が苦しい…




私も大輔くんの背中に手を回した。



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