明日も、キミに恋をする。
「んーー…なに…?」




犬山くんは上半身を机に寝かせたまま、顔だけこちらに向ける。


ダルそうな仕草なのに、なんかキマってる犬山くん。





「練習…始まる時間だよ?」

「……まじか」




犬山くんはようやく体を起こすと、大きくのびてから首を鳴らす。


そして犬山くんは、立っている私をじーっと見上げてくる。





「内田さん…なんか良いことしてきたって感じ…」

「え?」

「顔がツヤツヤしてる」



ドキッとする私に犬山くんはニヤっと笑う。




「大輔と屋上にあがってくの、見たんだよね」

「!」

「内田さん、やらしーなぁ」




私は一気に赤面する。



「ふ……わかりやす」



犬山くんは小さく笑ってから立ち上がると、そのままスタスタと教室の出口へ歩いて行く。




「内田さんそんなんじゃ悪い男に狙われるで」



犬山くんは出口のところで、少し振り向いて言う。




< 257 / 436 >

この作品をシェア

pagetop