明日も、キミに恋をする。

「ほら、こっちもっと来てや。見いへんの?」




犬山くんは消音にして動画を再生しようとしてる。



ど、どうしよう…

断ることもできるけど……


先生がちょうどまた、黒板を向く。



練習中の大輔くんが気になる私は、バレないかドキドキしながらも犬山くんの方に体を寄せる。



「ははっ内田さんも不良の仲間やな」

「ち、ちがう…!」



犬山くんは満足げにニヤリとすると机の下で動画を再生する。


そこには、何人かの先輩たちと一緒にアクロバティックな動作を練習をする、体操服姿の大輔くんが撮影されていた。


音は聞こえないけど、時には笑ったりしながら、先輩とタイミングをあわせて連続バク転をしている大輔くん。


動画は1分くらいで終わる。



「な?」



犬山くんがスマホをしまいながらそう言う。

私はあまりのかっこよさに、興奮して何度もうんうん頷く。








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