明日も、キミに恋をする。
大輔くんは私が三つ編みを編み終えるのを見つめてから、私の耳元に顔を寄せてくる。




ドキッ


「な、なに?どうしたの?」

「俺、優にお願いあるんやけど」



周りに聞こえないように、小声の大輔くん。




「俺……今日の応援団のパフォーマンス、うまく成功できたら優のご褒美が欲しい」


「ご褒美?」

「うん」




私が見ると、大輔くんはこくんとうなずく。




私……男の子に物をプレゼントなんてしたことがない。

大輔くんは何が欲しいんだろう?




「ご褒美って……たとえば?」

「え?あ、えっと」

「大輔くん、なにか欲しいものあるの??」




大輔くんは私の質問が意外だったのか、ちょっと照れたような困ったような顔で笑う。




「いや、違うねん。やっぱなんもいらんわ(笑)」

「え??いいの?」

「うん。そんかわりしっかり見ててな!」







その時、次の競技の召集アナウンスがかかる。


 
「あ、俺また次の競技、出番や。ほなまた後でな」

「うん!大輔くんがんばってね!」

「あはは、ありがとー」



大輔くんは笑顔で手をあげ、走って行った。


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