明日も、キミに恋をする。
「しゃあないな~…てか美佳お前どうしてん」



犬っちは持っていた空き缶を下に置くと、ミカンの頭をよしよししながら、俺の体から丁寧にミカンの腕をほどいていく。


ミカンは顔をくしゃくしゃにしながら、今度は犬っちに抱きつく。




「要ぇ…ぅぅ…」

「ばーか、お前飲み過ぎやねん」




犬っちは優しく微笑みながら、抱きつくミカンの頭をなでなでし続ける。





俺……犬っちがめっちゃ大人でカッコ良く見える。

いま俺がミカンなら、俺なんかより犬っちに惚れる。




ミカンは犬っちに泣きながら言う。



「ちゃんと諦めようと…してたんやで…でもっ…い、いきなり席近くなるし…今日の応援見て…やっぱり好きってなって…あたし…うぅ…」


「せやな、しんどかったな」



犬っちはなだめるようにミカンに言う。




こんなとき、俺はどうしたらええんやろ…

情けな……



< 305 / 436 >

この作品をシェア

pagetop