明日も、キミに恋をする。
授業開始5分前の予鈴がなっても、優はまだ戻ってこない。



…ほんまに、どうしたんやろ?



その時、ガラッとドアを開けて、陽子が登校してくる。




「陽子おはよー!遅刻ギリギリとか、めずらしいやん」

「愛おはよ。うん、ちょっと朝から色々あってな」




陽子のテンションは、かなり低い。




「色々ってなんやねん?」





俺がそう聞くと、陽子は俺をギラリとにらむ。




「え?俺?俺……なんかした?」

「知らんわボケ!カス!」




カスとまで言われる程のことをした記憶がないんやけど…


めちゃくちゃ怒り狂ってる陽子に、俺とミヤモと愛は無言で目を合わす。




「てか優ちゃん遅いなぁ、もう授業始まるのに」


 

愛がそう言ったとき

ガラッとドアが開き、今度は優が教室に入ってくる。



「あ!噂をすれば優ちゃん!おはよー」

「あ、愛ちゃんおはよ。宮本くんも大輔くんもおはよう」





優はひかえめに笑うと、そのまま自分の席に行ってしまう。

 

明らかに様子がおかしい優に、俺とミヤモと愛は、ふたたび目を合わせる。





俺は、授業の準備をしてる優の席に行く。




「優……なんかあった?」



俺が優の肩にそっと触れようとした時、

本鈴のチャイムがなり先生が教室に入ってくる。



優は俺のことを見てくれず、無言で教科書の用意をしてる。





俺は仕方なく、自分の席に戻った。

 

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