明日も、キミに恋をする。
その時




「なんなんですか?また何か言いにきたんですか?!」




俺と先輩のやりとりに気付いた陽子が、教室から廊下に飛び出してきて、そう叫ぶ。




「優ちゃんならもういませんよ?先輩たちのせいで保健室に行ってますから!」




陽子は怒りで震えながら、俺の隣にくる。



…は?

どういうことや??




「なんでうちらのせいなん。あんなんで保健室行く方が弱すぎやろ(笑)」


「そやで?うちらは別に一方的に攻めたり手ぇ出したりしてへん。ただ、話し合いをしただけや」


「あれのどこが話合いやねん!!」




怒りで今にも先輩に殴りかかりそうな陽子。

俺はそんな陽子の腕をつかむ。




「なに?どういうこと?」

「大輔も大輔や!なんで優ちゃん泣かせるようなことっ……」

「ハッキリ言うて?俺なにした?」

「あほっ!あんたミカンのこと抱きしめたんやろ?!」

「!?」





なんで、それ……

俺が驚いて言葉につまってると、陽子は今度は先輩をにらみながら言う。



「あの先輩たちが今朝、わざわざ優ちゃん呼び出してそん時の写真見せたんや」


「はぁ?な、なんでそんなこと…」


「優ちゃんに、大輔と別れろって言うてたわ。優ちゃんにはもっと他の男が似合うって…ショックで喋れへん優ちゃんに、その程度の気持ちなんやろって…」




信じられない気持ちで俺も先輩を見ると、先輩たちは少しバツの悪そうな顔をしてる。





「だって事実やろ?あんな地味な子よりミカンの方が断然、素直で可愛いやん」


「は…?ミカンがなんで出てくんねん」


「打ち上げの日にミカンが泣きながら言うてきたんよ。弱虫でただ守られてるだけの彼女より、自分のほうが頑張ってるのに悔しいって…。可愛い後輩のそんなん聞いたら、うちらとしてはなんとかしてあげたくなるやん?!」



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