明日も、キミに恋をする。
駅前のカラオケにつくと

店内は少し混んでいたけど、割とすぐに部屋に入れた。



優とカラオケに来るんは、初めてや。



「私、あんまり歌うまくないよ」



小さな個室のソファー席に、優は照れながら座る。

個室の照明は少し薄暗い。




「いや、俺もやで(笑)てか無理に歌わんでも、優といれればそれでええけどな、俺」



俺は優の隣に座ると、その手を握る。



「飲みもん、どうしよっか」

「私、カルピス」

「ほな俺コーラにしよっと」




優の手を一度話すと、俺はドアの横にある電話でドリンクを注文する。



「混んでるから、時間かかるって」

「大丈夫だよ。のど乾いてないし水筒もあるし」



優はピンクの小さな水筒を見せて笑う。



「部屋ちょっと暗くない?大丈夫?」

「私は平気だよ」



優がほほえむから、俺は照明は薄暗いままにして、また優の隣に座った。





ふたり並んで、ちょっと沈黙。


ドアの外から、他の部屋の音漏れが小さく聞こえてる。






そういえばこんな風に、完全な個室でふたりきりってちょっと初めてや。


観覧車とか優の部屋は別にして……







「な、なんかやっぱり歌う?」




優はリモコンに手を伸ばす。

優も少し緊張してるんがわかった。







「いや……優のことギュって抱き締めたい」


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