明日も、キミに恋をする。
コンコン、ガチャ




え?




「失礼しまーす」




突然ドアがノックされ、

俺は反射的に一瞬で、優の上から飛び退く。



さらにそのまま着地に失敗して、机とソファの間の狭い隙間に転がる俺…



「ドリンクお持ちしま…」


店員さんはソファに仰向けの姿勢のままの優と、床に転がっている俺を見て、固まる。




俺は慌てて立ち上がると

店員さんのお盆の上のドリンクを、テキパキと机に移す。


「す、すいません飲みもん運んでくださってありがとうございます」




店員さんは気まずそうに俺を少し睨んでから
「失礼しました」といって出て行った。











完全に我に返った俺は

優の方を振り返る。





優はソファに押し倒されたままの姿勢で、顔を両手で覆っていた。


しかも……少し震えている。





やばい…

やってしもた……





俺は血の気がひいて、優の体を起こそうとする。




「ご、ごめん優、俺……」

「ふ……ふふ…」




え?

 
「優?」

「ご、ごめん…でも……おかしくて…」




泣かせてしまったと思った優は、全身を震わせて笑いを堪えているだけやった。



「大輔くん…すごい早さで落ちていくから……なんか着地に失敗した猫みたいで…」



優に笑われて、俺は赤くなる。



「いや…だってあんな急にめっちゃビビるやん…」


「うん、私もすごくびっくりした(笑)」





俺と優は顔を見合わせて笑う。



< 348 / 436 >

この作品をシェア

pagetop