明日も、キミに恋をする。
12月になると、本格的に寒さが増す。



私はセーターにプラス、登下校の時にはマフラーを巻くようになった。





放課後に、いつものように大輔くんと帰る途中、大輔くんが自販機でコーンスープを買う。



「はい優。あったかいで」



そう言って大輔くんは、買ったばかりの熱い缶を私に手渡してくれる。


直接さわると熱いけど、セーターの裾を伸ばして包むと、湯タンポみたいに暖かい。



「あったかい……ありがとう大輔くん」

「優が風邪ひいたらアカンからな~」




大輔くんは笑いながら私の手をつなぎ直す。


 
「あ、優の手めっちゃあったかくなってる」

「うん。大輔くんのコーンスープのおかげだよ」

「はは」







しばらく湯たんぽ代わりにしてから、コーンスープの中身は大輔くんがほとんど飲んだ。



「あかん、コーンだけ出てけえへん」



最後の方で、スープだけ飲んでしまいコーンが缶から出てこなくなった大輔くん。
 



「コーン好きなの?」

「それもあるけどお腹すいてんねん。俺、成長期やから」

 


私は笑う。

大輔くんは顔の上で缶を逆さまにして、悪戦苦闘してる。

子供みたいで可愛いな…







マフラーをしてない大輔くんのほっぺが、北風にさらされて少し赤い。


私は缶であったまった自分の手のひらを、背伸びして大輔くんの頬に当てる。



大輔くんのほっぺ……すごく冷たい。





「はぁー…優の手ぇめっちゃ気持ちいい」

「大輔くんもマフラーしたら良いのに」

「せやな、明日からしてくるわ」





大輔くんはそう言って笑うと

缶をゴミ箱に捨てて、今度は私の頬を両手で優しく包む。



「ほな俺もお返し。俺の手あんま熱くないけど(笑)」 



わぁ…

「じゅうぶん、あったかいかいよ」

「ははは、ほんま?」



笑顔の大輔くん。




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