明日も、キミに恋をする。
みんなクジを引き終わり、番号の席に移動し始める。




私のくじ7番。

7番は窓際のいちばん後ろ。


そこは今まで大輔くんが座っていた席だった。







嬉しい……

教室をキョロキョロすると、大輔くんの姿はなぜかない。

まぁ…いいか。




私は座るために、椅子を引く。



さっきまで大輔くんがここに座っていた。

そう思うとちょっとドキドキしてしまう。




ストン…

ゆっくり腰をおろす。



椅子はほんのりあったかくて、大輔くん体温が残ってる。




大輔くん……


私大輔くんの席になっちゃったよ


嬉しくてもう一度、大輔くんの姿を探す。




でも、みんなでガヤガヤ大移動しているせいか、やっぱり大輔くんがみつからない。





でも、陽子ちゃんを見つけた。


犬山くんとは……結構近い!




教室の真ん中あたりで犬山くんと斜めの位置に座ってる陽子ちゃんの、後ろ姿。


犬山くんが後ろから陽子ちゃんに、なにかちょっかいを出してる。



陽子ちゃんは怒りながら犬山くんに振り返って、私と目が合う。


陽子ちゃんの耳が少し赤なった。




私は微笑んで陽子ちゃんに小さく手を振る。

私まで、嬉しい気持ちになるよ。





私は窓に視線を移す。


私は窓際の席が好き。

やわらかい大きな、薄いクリーム色のカーテン。

少し埃っぽいけど……




大輔くんと出逢ったときも、私は窓際の席だった。





冬の教室は人とストーブの熱で少し暖かくなってくる。


窓の外は木枯らしが吹いて、木の枝が寒そう。






ぼんやり外を眺めていると


ポンポン…




優しく肩をたたかれる。





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