支店長、お手やわらかに!

「いや…
北野を好きになったのは多分、
そういうところなんだ、
と思うんだ」


「どういう意味ですか?」

そう聞いてもしばらく支店長は笑ったまま。


それから

「意味なんかないって。
ありがとう。
もらうよ?」

そう言ってピンクのマカロンに手を伸ばす。




「ご案内いたします、
ただ今、到着の新幹線は20時10分発姫路行きのぞみ125号となります…」

少しして聞こえたアナウンスに支店長は発車時刻案内板を見上げ

「もうそろそろ乗ったほうがいい」

そう言いながらアタシを新幹線の扉のほうへと促す。



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