嘘から始まる恋
「ごめんね…すぐ泣き止むから」
そうしてる間に授業開始のチャイムが鳴り響いた。
それでも泣き止まない私に山中くんは傍にいてくれた。
授業開始からしばらく経って落ち着きを取り戻す。
「落ち着いた?」
濡れたハンカチを渡され、目にあてながら頷く。
「授業、サボらしちゃってごめんね…」
「いいよ。嫌いな古典だったから」
ははって笑って私の頭に手を置いた。
「嫌なことあったら言ってね?」
見上げる山中くんの顔はとても優しい表情で心が落ち着いた。
「…ありがと」
そう言うと優しい笑顔になった。