嘘から始まる恋
「分かんない?」
コクンと頷くと苦笑した。
「好きだからキスしたの」
好き、好き…?
「…誰が好きなの?」
「お前だよ」
苦笑しながら頬っぺをキュッとつねられる。
「おまえってだれぇ〜?」
ちゃんと言ってくれなきゃ分かんないよーって泣きながら成瀬くんに訴える。
「理子だよ。だいたい俺、好きじゃない奴とキスなんかしないし?」
余裕の笑みを浮かべ、不細工って言いながら、泣き顔を笑った。
私はそんなの気にしてられなくて泣き続けた。