嘘から始まる恋



「そんなに嬉しいの?」


「だってぇ〜…。今、"理子"って呼んでくれたぁんだも〜ん」


うわーんと子供みたいに泣きながら話す。



「はっ?名前呼ばれたことが嬉しいわけ?」


「いっつも"お前"とか"なぁ"とかだったじゃん」


成瀬くんを睨むように見るが、成瀬くんは呆れたように笑った。



「ほんっと、理子って変わってるよな」


面白いわーって笑いながら、私を抱きしめた。



「な、なな、成瀬くん!?」


ぎゃーー!!


急に抱きしめないでよ!!


腕の中でパニクる私に成瀬くんの優しい声が響く。



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