嘘から始まる恋



「手ぇ出せ、手」


呆れたように言われ、両手を出すと右手をバッと掴まれた。



「これぐらい分かれ、バカ」


そう言い歩きだした。



……手、繋いでる。


ヤバイ、顔真っ赤だよ!


恥ずかしくなって俯いてしまう。



「どこ?」


「へっ?」


顔を上げ成瀬くんを見上げる。



「顔、真っ赤だぞ…」


鼻で笑われ、更に赤くなってしまう。


もう嫌だー!!



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