嘘から始まる恋



「なに?ジーッと見て」


「み、見てないよ!」


急に視線が合わされ、慌てて逸らす。


心臓がバクバク鳴ってるよ。



「ここ?理子ん家」


"工藤"と下げられた表札の家の前で足を止める成瀬くん。



「う、うん」


「誰かいんの?」


「ううん」


親は仕事だし、お兄ちゃんは学校だし。



「じゃあお邪魔しようかな」


「ふぇっ!?」


「変な声出すな…」


ギュッと鼻をつままれる。


痛いです…。



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