嘘から始まる恋
「冗談だから」
なんだ、冗談か。
本当、意地悪だよ。
「じゃ、じゃあね。送ってくれてありがと…」
バイバイと手を振ろうとすると、手をグイッと引っ張られた。
「にゃ、成瀬くん!?」
抱きしめられ頭がパニクる。
いや〜、ご近所さんに見られるよ!
「顔、上げて」
そう言われ顔を上げると成瀬くんのキスが降ってきた。
「んっ…!」
「…ふっ、じゃあな」
唇を離したかと思うと鼻で笑い帰って行った。
真っ赤になった顔を両手で隠しながら急いで玄関に入る。
はぁ〜…、びっくりした。
てか何故、鼻で笑って帰るんだ。
昨日までどん底にいる気分だったのに、今日は幸せ過ぎだよ。