嘘から始まる恋
呼んだけど、呼んだけど!
自分からキスなんで出来ないよ〜!!
「…嫌ならいいよ」
パッと離れ、歩きだそうとする成瀬くんを引き止める。
「ま、待って…。嫌じゃなくて…その、恥ずかしいというか…」
うわーん!
何言ってんだ!
泣きそう…。
「だから…」
グイッと成瀬くんの腕を引っ張り、頬っぺたにチュッとする。
「…これでいい?」
成瀬くんの顔を見上げると、片手で顔を隠していた。
薄暗いけど、分かっちゃった。
成瀬くん、照れてるよね?
「…真っ赤だよ?」
「うるせー…」
目を合わすことなく手を握られ歩きだした。
成瀬くんって強引で意地悪だけど、照れ屋さんだよね。