嘘から始まる恋
初プレゼント
「見て、見て〜!クラゲだよ!」
繋いでいる成瀬くんの手を引っ張る。
「はしゃぎすぎ…」
「だって可愛いんだもん!」
さっきからはしゃぐ私に連れ回されてる感のある成瀬くん。
でもいっつも成瀬くんにやられっぱなしだから、今日ぐらいは振り回さないと!!
「あ、あっちにもクラゲがいる!小さくて可愛い〜」
暗闇に光るクラゲの水槽はなんだか神秘的に見える。
「クラゲって脳がないから、悩みとかないんだろうな…」
ボソッと呟きクラゲを見つめる成瀬くん。
「どうしたの?」
顔を覗き込むように見上げると、「あっち行こうか」と歩きだした。
何だか一瞬悲しそうに見えたんだけどな…。
それから水族館を一周して色々な魚やペンギンを見て回った。