俺が守るから。
校舎を出ると
まだ冷たい風が吹いていた。
だから俺達は
手を繋いで帰るんだ。
「温かいね」
隣で美和が何気なく言う一言が
俺にとって
すごく温かい……
すると美和は
バスケットゴール辺りで
歩いていた足を止めた。
「どうした?」
「バスケ…したい」
いきなりの美和の言葉に
正直驚いた。
だって
動いたら体に負担かかるし…
「シュート打つだけ……
だめぇ?」
うるうるの目に
甘ったるい美和の声。
俺がそれに弱いと
知っての行動なのか
よく分かんないけど答えは決まっている。
「わかった」
「わーい♪」
あんな顔されたら
“ダメ”とか言えないし。