俺が守るから。




そして教室に戻ると
隣には鈴木くんがいて……


あたしを見て
ニコッと意味ありげに
笑った。





あたしは
それを気にせずに
席に座って
教科書を机から出す。





「工藤のとこ行ってたの?」



鈴木くんは
あたしをじっと見て
尋ねた。



「…そうだけど」



そりゃ彼氏に
会いに行く時だって
あるよ。




「妬いちゃうなぁ。
ほんとに俺じゃダメ?」



念を押すように
また聞き返す鈴木くん。



「知らないと思うけど
あたし、病気なの。
フツーの子みたいに
出来ない事がいっぱい
あるんだよ」



俯いたまま
あたしは言った。


自分でこの事を言うのは
正直きつい。

でも

こう言ったら
鈴木くんも周りと一緒で
離れていく……。



そう期待していた。












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