贈る言葉

「せんぱ~い! 先輩、先輩、先輩、先輩、て~つやせんぱ~い!」


警報の如くけたたましく鳴り響く声。それを耳にした者の多くは一様に手を耳に当て、騒音の元を睨みつける。


「うっせぇな、お前は相変わらず。遥や凛みてぇに静かに出来んのか」

「私は大人びた真似ができません! それよりも凛先輩に聞きましたよ~。また朝からお昼寝してたみたいですね。朝だから朝寝?」


人差し指を唇に当て考える吉田 茜。17歳。クレープと犬をこよなく愛する娘。


「あのアバズレ。また余計な事を……」

「聞こえてる」

「ダボンっ!」


冷静な立ち振る舞いに似合わぬ速度で手刀を振り下ろす、藍原 凛。18歳。光るメガネは何を見据えるのか。


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