reYの出産記録


再び病院へ。


もう歩くこともできないくらい痛い。


旦那と母親に体を支えてもらいながら、またあの陣痛室へ。



何人かの妊婦さんが、静かに苦しんでいる中。



「あぁぁぁぁ!!来た来た!!お尻、押さえてぇぇぇぇ!」


「また来たまた来たぁーーーーー!もう無理!!」




うん。

恥ずかしいくらい。



自分を見失って。



叫んだ。

吠えた。




珍獣みたいに。




それを見た助産師さんが、硬式テニスボールを持ってきて


お尻に押し当ててくれる。




「あーーーーー、それ、めちゃめちゃ楽ですっ!!」



ほんまに天使に見えた。


苦しいけど、ほんまに楽になった。




お尻にテニスボールって……と笑いたい気持ちの中で、

必死で声を押し殺して、痛みに耐えた。




「もっと強く!!そんなんじゃ無理って」


テニスボール係になった旦那に、叫ぶ。



旦那は、必死でテニスボールを押しつける。


「弱いって!!もっともっと!!」



相当うるさかったと思う。


でも、ほんまにどうにもこうにも我慢できひん痛みで。


テニスボール押し当ててもらってないと、お尻から赤ちゃんの頭出てくるって感覚になる。




そこからずっとずっと同じ痛みが続き、3時間くらい苦しんだ。


体力つける為にと、旦那がおにぎりとリンゴジュースをコンビニに買いに行ったみたいやねんけど、その記憶はない。


いつの間にか、点滴とかしてるし、途中意識もうろうとしてたみたい。


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