天国の音色
教室に着くと、梓が私のところにすっ飛んできた。
「ねぇっ!!奈々聞いてよ!! 」
挨拶も、ナシ。梓はなんだか興奮してるみたい。
私の返事も待たずに梓は続ける。
「あのねっ!!私.....好きな人ができたの!!」
「えっ!?誰?何組?」
「1年6組の....篠田健一くん♪」
しのだ...けんいち?
んー....わかんない。私達は5組だから、一応となりのクラスなんだけど...
私、男の子にうといから。
「奈々、わかんない?...結構目立ってんだけどなぁ」
「じゃー6組に行って、どの人か教えて?」