美女と珍獣

***


『で、アンタは大丈夫なのね?』

「うん、まあね」


早速、珍獣さんからもらった部屋でくつろいでいると、美奈から電話があった。

珍獣さんのことを話すと、美奈は大笑いしていた。



『ていうか、その珍獣さん?
ほんとに意味分かんない人だねー。

まあ楽しそうで何よりだけど』


「誰のせいだと思ってんの!
まあ悪い人では無いと思うよ、多分」


『まあ、あたしがそっちに帰ったらウチ来ても良いから』

「うん。っていつ帰るの?」

『……さあね』


「………、まあいいや。じゃあね」


そう言ってあたしは電話を切った。




今の会話で、ふと思った。


美奈が帰ってきたら、あたしここにいなくて良いのか。

いや、それが1番良いんだろうけど。



「…………」



なんか、

変な気分だ……。



< 21 / 51 >

この作品をシェア

pagetop