美女と珍獣
「いつもはどうしてたんです?」
「おてつだい、さんー」
「お、お手伝いさんいたんですか」
「うん。これからは、たまに、来るよ」
珍獣さんの言葉にあたしは疑問を持った。
「"これから"は?」
「今までは、いつも、来てた」
「何で……」
「今は、アサカ、いるから」
「………そ、そうですか」
つまり、
今までは家政婦さんみたいな人がいつも通ってたけど、あたしがいるからたまにしか来なくした……
ってこと?
頼られてる、のかな。
あたし……。
またよしよしと頭を撫でてくる珍獣さんに微笑しながら、あたしは昼食を皿に盛りつけた。
「そういえば、珍獣さんはどうして昨日あんな所にいたんですか?」
「えー?」
あたしが尋ねると、珍獣さんは首を傾げて考え込んだ。
「んと、しごと、帰り…!」
一気に顔を上げてそう答えた珍獣さんに、ちょっと驚く。
「仕事、何なんですか?」
「んー、レイジの、おてつだい」
「レイジさんの……?」
っていうことは、ホスト(仮)かな?
…………。
それはないから、せいぜいその裏仕事ってとこかな。
「アサカはー?何、の人?」
「えっ」
思いもよらない質問に、あたしは一瞬たじろいだ。