美女と珍獣


「あたしは、学生ですよ」


そう答えると、また何回も頷く彼。


「そっか。学校、は?」

「今は、昨日から冬休みなんです」

「へぇー……」


それだけ言うと、黙々とご飯を食べ続ける珍獣さん。

さして興味もないのかな、とあたしもスプーンを手にした。





「そういえば、それ何て動物なんですか?」

あたしが着ぐるみを指さしてそう尋ねると、一瞬の間の後こう答えた。


「……マリアンヌ」

「………、そうじゃなくて、動物の」


「………………」


黙り込んでしまった珍獣さん。



まあ早い話が、分からないっていうことか。


今度調べてみようかな。

なんて考えながら、あたしは昼食を食べ終えた。


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