美女と珍獣
***
「お、オカピ…?」
あたしは珍獣さんが使って良いと言ったパソコンの前で画面上の文字を復唱してみた。
【珍獣】で検索してみた結果、
世界三大珍獣
なる単語を発見。
そのままずっと見ていったら、なんだか見覚えのあるような動物を発見。
今日の珍獣さんの着ぐるみは、オカピという動物を模したものらしい。
着ぐるみの方は些かかわいらしくしてあるものの、画面に映る動物はどうにも奇妙。
鹿のような体に、シマウマのような足。
少なくとも今まで生きてきた中で、あたしはこんな動物を見たことはない。
「こんな動物もいるんだね……」
妙に感心しながら、あたしは他の珍獣と呼ばれる動物を見ていった。
♪~
しばらくしたら、携帯が鳴った。
開いてディスプレイを見てみると、知らない番号。
珍獣さんのはちゃんと登録したし…と、首を傾げながらも一応電話に出る。
「もしもし……」
『あ、麻伽ちゃん?』
「!」
この声は……
「ミユキさん…っ!?」
『あら、わかってくれたのねー』
何でミユキさんがあたしの番号を?
そう思い、訊いてみると珍獣さんから聞いたとのこと。
「そうなんですか。びっくりしました!」
『驚かすつもりは無かったんだけどね、ごめんなさい』
「いえ…」