美女と珍獣
ミユキさんとの電話を切ったあと、あたしはベットに横になって悶々と考えた。
あの部屋のこと。
あの写真の少年のこと。
あの英語のこと。
ミユキさんは、知ってるんだよね。
ふと、さっきの会話を思い出す。
「気に入ってるって……、どうしてよ」
珍獣さん……。
そう呟いてみても、答えてくれる相手はここにいない訳で。
いや、いても困るけど。
ごろん、と寝返りをうって携帯を握りしめる。
機械特有の冷たさが手に広がった。
うーん……。
何だかなあ……。
大して良くもない脳をフルに活用して、いろいろと考えてみても、答えなんて出なかった。
そうこうしてるうちに、いつの間にかあたしは眠りについていた。
だって、今は。
きっと考えても何も分からない。
夢の中で、珍獣さんがまたあたしの頭を撫でていた。