美女と珍獣


数十分経った頃。



「できたにはできたけど……」


もやし入りカレー、完成。

見た目、まあ普通。


「なんか意外に普通なんだね…」


つまんないな、と口を尖らせていると。


「アサカ、できた?」

「わっ、珍獣さんっ!」


いつの間にか背後に立っていた珍獣さんに驚く。


「できましたよ、運ぶの手伝って下さい」

「うん」



そのままカレーをテーブルに運んで、席に着く。



「いただきますっ」

「うん」


あたしがいただきますって言ったのに、うんっておかしいよ。

そう思って笑いながら珍獣さんを見る。



「これが、モヤシー?」

「そうですよ」


スプーンでつんつんと細いもやしをつつく珍獣さん。

その子供のような仕草に、また可愛いと思った。



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