美女と珍獣
あっけない。
まあ、言ってみれば"たった"3日とかそこらの共同生活で。
終わりなんか、こんなに短くてあっけないものなんだ。
それでも悲しい。
それでも寂しい、苦しい。
あなたはどうなの?
「うん、わかった。
荷物、もう、まとめたんでしょ。
元気でね、アサカ」
その辿々しい喋り方で。
あなたにしか出せない声で。
最後なんだと思い知る。
メールや電話なんてできるはずない。
きっと、会えないと仕方ない。
でも、この先会える気がしないのは、臆病のせいかな。
ねえ、ミユキさん。
なんて酷い魔法なんだろう、これは。
深く深く一礼して、あたしは珍獣さんの家をあとにした。
たった数日だったけど、あたしと彼の二人で過ごした家。
三日前のあたしは、こんなに辛い別れなんて想像もしてなかった。
ほんとうに、残酷な魔法。