シオン
一口目で懲りたので肺にはそんなにとどめなかったが1~2分だろうか、急に全身が粟立つ

何、この感覚、やばそう…

それからはあっという間だった

視界は歪み、顔がどんどん熱くなり恐くてシンジくんを見た

「うわ、きた、恐い」
シンジくんはトローンとした顔であたしの顔を除き込み、ふふ、キマッたね、とあたしの髪を撫でた


これが本当に大麻でキマっている状態なのか、シンジくんの様子と自分の状態を確認して訳が分からなかった











シンジくんもあたしと同じ状態?すごく落ち着いて見える、あたしのこんな状態はキマッていると言うより、今にも死にそうな状態で、どんどん恐くなる


ふと目を戻すと目の前に線が見える、その線はぼやけていたけど上は天国、下は地獄の境界線だった




ああ、幻覚だ


多分無意識でだろう、恐くなったあたしは必死に天国の方に手をのばし、地獄の引力に負けそうになりながらシンジくんの腕に抱きしめられた

そこで現実に引き戻される

甘いお香の香りが鼻につく


「恐い、変にキマッてしもうた」

「大丈夫」

何度もその言葉を聞いた気がする









シンジくんがキスをしてくる

柔らかい舌

そこで記憶はなくなった






そして麻酔から醒めた時のように、気がつくとあたしはベッドの上で、シンジくんはあたしの上で腰を振っていた



キスをされた時点で何となくそうなるんだろうとは思っていたが、キスから後の記憶がまるでない。あたしは訳もわからず早く終わってほしいと、それだけだった。正気に戻ろうと目を必死に開けるが、周りはゆがみ目をきちんと開けていられない。
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