シオン
喉は水分のかけらもなく、部屋はメリーゴーランドみたくスローモーションで回っていた


変わった焦げ茶色のデザインの置物が目に付く。あれは人間だろうか。時々目に入ってきては現実に引き戻してくれる。

あたしは意識が遠くに消えそうになると、その人間を確認する


シンジくんはまだ腰を振っていて、あたしは例の人形を確認し、これは現実だと言い聞かせた




そして再び意識が薄れていくのを感じた

















ベッドが揺れた

重い頭をやっとの事で横に向けるとシンジくんは無表情であたしに腕を回す

イッたの?あたしちゃんと出来てた?


ただそれだけの言葉も出ず、何て事をしてしまったんだろうと言う罪悪感と不安と共にまた目を閉じる



後になって分かったが、Sexが終わってもあたしはほぼ4時間 横になり、夢か現実かわからないままベッドで半ば死んでいた


たまに起き上がり、"水が飲みたい"と何度も手を空に向け、2リットルの水を1人で飲み干していたそうだ



"こぼすなよ"

多分こぼさずに飲めた


もうこんな事は止めようとSexの最中に思ったが結局その後も半年間、シンジくんとは親密な関係になっていった。何がよかったんだろう、優しく扱われたのは確かで少し優越感みたいな物もあったのかもしれない。週に1回、多いときは2回会って、まるで恋人みたいだった。


殆どはシンジくんの家だったが、クラブに連れて行ってくれたり、夜景を見に連れて行ってくれたり、いろんな所にご飯も食べに行った。家にいる時は大半をSexと大麻で過ごした


どんな場面でも大麻は付き物だった

とは言っても毎回毎回吸うわけじゃない。だいたい週に1回。それか2週間に1度だった


< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop