シオン
シンジくんと過ごした半年間は色んな事があった。シンジくんの誕生日もあったしシンジくんの店にも手伝いに行ったりした。

ある日いつも通りシンジくんと会ってご飯を食べた後、今日、友達が回すから、とクラブに連れてってくれた夜、彼がいた。






目がキラキラしていてあたしはおよそ12年振りに一目惚れをした

少し見とれていたかもしれない

シンジくんの友達


"初めまして"と"よろしくね"の挨拶で彼がテキーラをシンジくんとあたしにおごってくれた

あたしはお酒は殆ど飲めなくて、缶ビール半分で酔っ払ってしまう。飲むのは嫌だったがあの顔で乾杯なんて言われたら飲むしかない。一気に喉に流し込む、喉が焼けるようだった。



最初は楽しかったものの、しばらくして予想通りテキーラで潰れたあたしがソファに横たわっていると、男の子達が何やら耳打ちで会話をしていた。その中には彼もいた

そしてシンジくんに手を捕まれ、一緒にくるんだよ、とクラブの裏口から階段を上がり、屋上で5~6人で大麻を回しながら吸った


シンジくんが皆に言う

「今日バツバツに詰めてきたから」

知らない顔も何人か居たが、皆シンジくんに"いただきます"と、言い、吸う


皆が音楽の話しで盛り上がっていると彼は興味本意でだろう、あたしがシャブをやっていた話しに、すごいね、いつ止めたん?よく止めれたね。打ってたの?などと色々質問をしてきた

酔ってキマッていたあたしは話さなくてもいい事をペラペラと話した


シンジくんが他の人達と話し込んでいると彼は立ち上がりフェンスの端に1人歩いて行った



その後ろ姿をボーッと見る。後ろ姿までかっこいい。

いい感じにキマッていたあたしは彼に向かって歩いて行く

シラフなら絶対こんな行動、取れない



「何してるの?」


「ん~…明日雨かなって……‥」



彼のその虚ろな顔を見た後、空を見上げると星一つなく、月までも見えなかった


「…また遊びにおいでよ」

何故か気まずそうに、微笑んで言う


「うん、こんなに気分いいの久しぶり、いつも2人で吸うからかなぁ…変にキマッちゃって…」

「じゃぁ、尚更だね」

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