恋signal♪
「笑うことないじゃない!」
私と陸斗が出会ったのは海斗のおかげである。
薫先輩から、陸斗を奪ったのは海斗の“せい”でもある。
「いや、ごめん。で?お前は何してるわけ?彼女なんだから、遠慮しないで呼べばいいじゃん」
「そ、そんな簡単に言わないでよ」
「だって簡単のことだろ?…それとも、遠慮して付き合わなくちゃいけないやつなのか?兄貴は」
ぅッ……!!
鋭い矢が何本も胸を打つ。
痛いところをつかれた。
「……海斗、意地悪」
「ん、俺間違ったこと言ったか?」
その顔で見つめないでよ。
ドキッとするじゃない。
陸斗とはまた違うかっこよさ。
陸斗が10なら、海斗は15だろう。
彼氏よりも、かっこよく見えるのはおかしい?
でも、そうなんだからそう。
「言ってない…」
「だろ?だった「はいはい!そこまで!これ以上、海斗くんは瑠璃を苛めないの~」
間に割って入ってくれた深雪に今はものすごく感謝。
だって、意表をつかれて思わず涙を零しそうだったから。