恋signal♪

「笑うことないじゃない!」


私と陸斗が出会ったのは海斗のおかげである。
薫先輩から、陸斗を奪ったのは海斗の“せい”でもある。

「いや、ごめん。で?お前は何してるわけ?彼女なんだから、遠慮しないで呼べばいいじゃん」

「そ、そんな簡単に言わないでよ」
「だって簡単のことだろ?…それとも、遠慮して付き合わなくちゃいけないやつなのか?兄貴は」

ぅッ……!!

鋭い矢が何本も胸を打つ。
痛いところをつかれた。

「……海斗、意地悪」

「ん、俺間違ったこと言ったか?」

その顔で見つめないでよ。
ドキッとするじゃない。

陸斗とはまた違うかっこよさ。
陸斗が10なら、海斗は15だろう。
彼氏よりも、かっこよく見えるのはおかしい?

でも、そうなんだからそう。

「言ってない…」

「だろ?だった「はいはい!そこまで!これ以上、海斗くんは瑠璃を苛めないの~」

間に割って入ってくれた深雪に今はものすごく感謝。
だって、意表をつかれて思わず涙を零しそうだったから。


< 5 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop