【完】初恋
「好きじゃないなら…なんで抱き締めたの?好きじゃないなら…そんなことすんなバカ!!」
あたしは拓真をドンと押し、浜辺を走った。


「いっ…。」
走りすぎで靴擦れしたようだ。
「ぅっ…。」
辛さと痛さで涙がでる。
ううん。辛さで…かな。
靴ずれの痛みの涙のほうがよっぽど楽だ…。

今のあたしには…夏の潮風が冷たく感じた―…。

ねぇ拓真?
勢いで諦めるって言ったけど…。
あたしはまだ拓真が大好きです。
想っているだけならいいよね…?

失恋した高1の夏…。

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