私の体験談

窓ガラス

「ねぇ、もう引き返さない?」

姉が私を軽く振り返ってそう聞いた。

いつもなら私の方が怖がりで、少しでも不気味な場所に行くとすぐに帰りたがるのに今日だけはまだ奥に進まなくてはいけない気がした。

私は大丈夫だから、と言って姉の背中を軽く押した。

「……」

そんな私の様子を不思議に思ったのか、姉が私の目を覗きこんできた。

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