キスして☆イケメンな彼
身動きを一時停止した私を心配するかのように、由香里は話しかけた。
「えっと...幸乃?」
まさか、という顔をしていた。
「ごめん...ね?」
少しずつ由香里の顔が曇っていくのがわかった。
私も正直、今の状況がわからない。
どこらかが不思議で、どこかでショックしている自分がいる。
中には飛び跳ねてしまいたいくらい喜んでいる自分もいる。
「...ゆ、由香里?」
私は頭の中を整理しようとして、由香里に話しかけた。
「はッ、はい!!」
つい出てしまった敬語に、由香里は自分で驚いた顔をしていた。
私は一度、姿勢を整えてから由香里を見た。
「あのさ...」
ゆっくりと重い口を開けていく。
由香里も瞬きを忘れるほどじっと見ていた。