キスして☆イケメンな彼
全部欲しい 龍之介side
欲しい。
愛が欲しい。
全て欲しい。
君の全てを。
「龍之介!」
俺は誰かに呼ばれ、振り向いた。
「あぁ、智」
俺と№1を競う相手、大浦智。
№1と言っても、正直くだらない勝負だけれど。
なんていうか1週間に何度告白されるか...とかだけど。
「龍之介さぁ、ちょっと頼み聞いてくんね?」
智の頼みなんてどうせ決まっている。
俺の顔を使って何かしようとしてるに違いない。
合コンか、なんかだろうな。
「嫌だ。断る」
茶色に染まる髪を逸らしながら言った。
「なぁいいだろ?」
智は乙女のような目をしながら俺を見た。
「あ?」
俺は嫌そうにしていった。
智は一度身震いをした。
「合コン、一緒に来てくれよ!」
...ほら、やっぱり。
言ったこっちゃねぇ...。
女がぎゃあぎゃあ騒ぐ会議みたいなもんだろ?
分かってんだよ。
智の考えてることなんか。
俺は姿勢をかえて、智を見る。
「で、どうなんだよ。その女」
「えッ!」
突然行く気になった俺の様子をみて、智は驚いた顔をした。