キスして☆イケメンな彼
初めて 幸乃side
「ゆ~きのっ!!」
後ろからギュッっと抱きしめてきたのは、友達の由香里だった。
「あ、おはよっ」
ふたつ結びの髪が揺れた。
今日は、なんか由香里がいい香りがした。
私がじぃーッと見つめていたら、由香里が私の顔を覗き込んだ。
「ん。何?」
由香里はクリクリしたまぁるい目で私を見た。
「なんかいい香水つけてる?」
「えッ。分かる?」
由香里は自慢げに髪を揺られた。
柑橘系の香水の香りがよく漂う。
きつくなく、ナチュラルな香りが私を癒す。
「なんか、レモン...ライム?」
由香里の髪を優しく手にとった。
「そッ。シトラス系の香水なの」
なんだかわくわくしている由香里。
こっちまで嬉しくなってきちゃうよ。
「で、どうしたの?」
いつもはもっと優しい感じの香りなんだけどな。