キスして☆イケメンな彼
何聞いてんだぁぁああー!!!
私は心の中で雄たけび(?)をあげた。
その彼は私をチラッと見てまた笑った。
ドキンとしてしまう。
その笑顔。
私はその笑顔に釘付けだ。
彼はもう一度由香里の方を見た。
「うん。予想以上だ」
あえて歯は見せずに、
わざと目をそらして、
優しく微笑むようにして彼はそういった。
もう一度揺れた。私の心。
…ていうか、ちょっとヤバイ。
「……ゆ、由香里ちょっとごめん」
「え?」
私は向きを変えて一気に走り出した。
「え?! ちょっと幸乃ぉー!!!」
由香里が大声で叫んでいたけど引き返ることは出来ない。
前以外に進むところなんてない。
あの空気は耐えられない。
私が壊れてしまう!!!
私、心臓持ちませんから!!!!
私は行き先も考えずに走っていた。
道路が凸凹していて歩きづらい。
さっきの場所から少ししか進んでいない所なのに。
こんなに違うものなのですか!?
街灯が灯るほど暗くはないけど、なんか暗い。
雰囲気の問題?
オタクが集まるような住宅路?
いや、それは表現がおかしい。